<25>施工支援システムの実行ステップ(4)‥‥‥新規工事の叩台工程表 計画工期の設定 “最善計画”を目指す
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 10/6(月) 17:55:43  返信も含め全削除
(5)新規工事の叩台工程表
 叩台工程表とは、「過不足ない作業」を「正しい順序」で表し、作業毎に必要な「総資源数」を設定したネットワーク工程表を言う。叩台工程表は工期や効率性の検討をする前の段階である。

@大まかな工程表を作る
 初めに新規工事に類似する標準工程表をコピーすると、新規工事に類似した“作業”と“順序”で表した「大まかな工程表」ができる。

A作業の過不足を調整する
 大まかな工程表と新規工事の作業内容を比較して過不足があればこれを加減する。追加する時は特に作業順序の設定に注意が必要である。追加作業と同じ作業を記録した実績工程表があれば“作業順序の設定”の参考にできる。
 作業を加減すると『過不足ない作業』が『正しい順序』で表した工程表ができ上がる。

B作業量と資源数を設定する
 前段の各作業に『作業量』を設定し、標準歩掛によって『総資源数』を設定したものが叩台工程表である。現場条件などにより必要な場合は総資源数を調整して計画の精度向上を図る。追加作業と同じ作業を記録した実績工程表があれば“総資源数の設定”の参考にできる。

(6)計画工期の設定
@作業日数の設定
 一般的に、一定量の作業を行うには一定量の総資源数を投入する必要がある。例えば3人の作業員で5日間掛かる作業(総資源数=15人工)の場合、これを3日間で完成するには5人/日を投入しなければならない。しかし下請が当現場に配置できるのは4人と思われる時は作業日数を4日間とすべきであろう。他に作業場の広さによって資源数/日の上限が決まる場合もある。このように『作業日数』は投入する資源数/日を検討した上で決定すべきものである。
 注),マスタープランから月間工程表へ、更に週間工程表へとブレークダウンする方式で計画することがある。この方式は1週間前にならないと作業日程が確定できない。この実行直前に確定する方式を“泥縄方式”という。泥縄方式で元請が「3日でやれ」と言った時に下請が「それは無理」というと「お前の所は力が無い」と言う元請がいる。本当は「元請の支援力(技術力)の無さ」が問題と見るべきなのである。また下記の“最善計画”は工期全体を対象として検討するため、泥縄方式では類似の検討は絶対にできない。多分、体験無しにはこの得失すら理解できないだろう。

A計画工期のチェック
 作業日数の設定が終わった段階で工期を計算すると『計画工期』が設定できる。この結果、目標の範囲から外れる場合は、クリチカルパスなどの作業日数を(@の条件を加味しながら)修正して計画工期の調整を行う。

(7)“最善計画”を目指す
 前段の工程表を使い、資源の山崩(詳細は「<18>山崩とその限界」参照)を行って3M(ムダ・ムラ・ムリ)排除による効率化を目指す。山崩は基本的に前段工程表の作業日数を変えずに行う。このため余裕のある経路を対象に主に開始日の移動によって山崩する。作業日数を変えて山崩をする時は(6)で行った資源数/日と計算工期のチェックと合わせて行うことが必要になる。
 山崩の検討を繰返しても山は残るであろう。しかし検討を重ねる度に少しずつ『効率化』が促進されるため、最善計画と呼べる状態まで作り上げることができる。

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