新規投稿者 高津徹太郎
投稿日 11/3(月) 17:46:59
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(12)更に工程支援システムを考える
@更なる工程支援システムのメリットは
民間の建設工事では今迄も短納期を要求されてきた。それは発注企業にとって建設投資が財務内容を一変させるほど巨額であると共に筍なビジネスモデルを具現化したものであるから、資金回収とメリット享受に向けて早期完成・早期稼働を要求したのである。このため現在でも短納期は建設会社の売り物の一つになっている。更に、スピードを重視する市場経済では短納期要求が強まることは当然なのである。また、最近になって都市部の道路工事に対し長期化すると交通渋滞を長引かせるとしてペナルティを課すというニュースが報じられた。これらのことから“工期短縮を科学的に検討できる”だけでも工程支援システムは重要であり、分かりやすい差別化ツールとして名実共に利用できるのである。
また、「経営革新と新型リーダー」講座の<37>「ストレスの餌と量」の中では“競争社会は常に攻撃を受ける社会であるから、適切な防御技術をもつべきである…”としている。工事を受注すれば儲かった時代には受注だけを重視すれば良かっただろうが、市場経済で競争するためにはおのれを知ることが重要なことなのである。工程支援システムを軌道載せすると、刻々と変わる自社の現状を詳細に掌握できるようになる。例えば入札において詳細に自社の現状が分かって初めて攻撃的なまたは防御的な入札価格の決定が可能になるのである。
A担当者がシステムを使えない時にどうするか?
市場経済での競争とは地球規模の競争を言う。このため、同じ地域の同業者や手本としてきたゼネコンがやっているかどうかに拘わらず、工程支援システムを使わないで建設業として生き残る方法は皆無であろう。その状況下にあっても工程支援システムで計画や施工が旨くできない者が出ることに留意すべきである。もし、工程支援システムが旨く使えない担当者がいた場合は、a) “使いにくい”とか“分かりにくい”という支援システム上の問題が無いか? b)システム利用上のトレーニング不足の問題が無いか? c)担当者への人的支援が不足していないか? などと、“システム普及を図っている会社側の問題”と捉えることが健全な判断なのである。
例えば証券会社において売買手続きに社員の手間が掛かる企業と、お客自身がパソコンを操作し自社社員の手間が掛からない仕組みを持った企業とを比較した場合、手間が掛からない方がランニングコストが掛からないのは当然である。更に言えば、売買手数料が安いことを営業武器に本社機能を安価な田舎に構えた企業と、高価な都市部に本社を構え多数の営業マンを抱えて営業する企業とを比べると一人当たりの利益額は桁違いになるだろう。バブル期の前までは立派な本社ビルを持っていることが信用につながり受注につながったのである。しかし市場経済では「良いものを安く」することが営業の根源だから、ある部分は従来とは逆さまな思考が必要になっているのである。
情報化社会に於ける経営では、担当者個人の努力やレベルに依存しない効率的システムの構築が目標であり、企業間の競争はこの効率的システムの構築にあると言える。このため、システムが旨く稼働しない時は経営の問題と捉えてその解決に当たり組織として解決すべきなのである。今迄は結果の良否を社員個人の問題と捉えてきたが、結果の良否を自社のシステムの問題として捉えるという逆な思考が必要になってきたようである。 |