<33>新規システムの導入ポイント(3)‥‥‥書類作りは生産性“ゼロ” 緊急課題
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 12/1(月) 18:02:01  返信も含め全削除
(6)書類作りは生産性“ゼロ”
 新規システムの導入時は現行書類との重複や表現の違いでぶつかることが多い。また、「○○管理・○○日誌・○○報告書」が一度しか使わない建前書類であることが多いためこれを機に真に役立つ書類(データ)かどうかチェックするチャンスとすべきである。基本的に書類作りは生産性ゼロであるから全て廃止すべきである。但し、現場サイドでは“管理ためのデータ”に限って新しく記録し保存すべきである。本来は管理データと報告データは同じ内容であるから報告書は管理データをソフトウェア的に加工してボタン一つで作り、使用すべきである。一度だけ使う報告書を新たに作ることは“掘削土を仮置きし、積み替えて搬出”するのに等しく二度手間のムダを犯していることになる。
 日本には「恥」を隠すとか「美しい書類を信じる」という文化がある。我々はこの悪癖のため多忙を招いている。管理者(現場担当者の上司)は現場サイドに求められている書類やデータを吟味し、まず、“要・不要”の判断から始めるべきである。管理者がこの“書類作成業務”を整理せずに現場サイドに効率化やコスト削減を求めてはいけない。不幸にして“多忙を招く業務”に気が付かないなら管理者として失格と心得るべきである。従来の管理者業務は担当部署の人的統率であったため利益追求などと口では言っても本気(本物)ではなかった。部署内の統率には“和”を尊重させ、自分はトラブル回避のため“前例”で処理してきた。しかし、今や“和”や“前例”を規範としながら個人の努力に頼る会社は経営が続けられなくなってきた。(経営事項審査の評価点対策など)結果のまとめではなく、利益創出の仕組み作りに勢力を傾けるべきである。

(★)緊急課題
 建設業界は今、未曾有の危機に直面している。未曾有だから前例を手本とすることはできない。だから当講座で危機回避策として原理を示している。しかし動けない。こんな時にも他業界の例を見ると理解できるものである。次を他山の石としたい。
 11月28日読売新聞の第1面に「金融再生」記事が載った。バブル経済の最盛期に邦銀は世界ランキングの上位を独占しウォール街を震えさせた。90年代の“失われた10年”の間に「米銀が地獄からはい上がったのに対し、邦銀は天国から真っ逆さまに落ちた」…(詳細紙面はhttp://hoq.hp.infoseek.co.jp/chiiki/20031128.jpg)。
 3年前に出版した「工程管理革命の実践(http://hoq.hp.infoseek.co.jp/hon/)」の9ページ「ビッグバンと銀行」に邦銀と米銀の収益構造の違いを書いた。比率に多少の違いはあるが収益構造は昔のままで変わっていない。新聞紙面では、邦銀の課題は重い…と結んでいる。本を書いた時は現在を予想した訳ではなく、邦銀が抱える問題構造を原理的に整理しただけである。多分、多くの銀行マンが気付いているが本物指向を貫けず自ら動かないから変わっていないのである。建設業界にも「分かっちゃいるが動けない」人を多数知っている。動かないなら結果は無知と全く同じである。しかし、ここの形(http://www.chiiki-keizai.com/cgi-bin/bbs4/20030609.htm)でデータ収集を始めた会社が数社現れた。これで日本の建設業が変われると思う。時代の変化は一滴から始まる。
 銀行は経済界への血液運搬機能のため政府資金を注入したが、建設業界を救う理由は全くない。自助努力あるのみである。同68ページ「日本人の資質は工程管理に合う」のだから世界の建設業になる下地があることも認識すべきである。

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.