<41> 次回から「WBSには危険が一杯」を投稿します
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 5/23(火) 16:27:54  返信も含め全削除
 前回予告した取組事例報告の件は現在進行中のためもう少しお待ち頂きたい。なお、施工支援システムに挑戦したい企業はご連絡下さい。

1.投稿再開に当たり、改めて改革のスピードが遅いことに苦言を呈したい。世の中は割付受注から競争受注へと大転換した。それなのに現場の四大管理と言われる工程・原価・品質(ISO)・安全管理が従来から変っていない。従来の管理は「要求資料を作る」ことだった。安全管理には「安全日誌」、品質管理には「品質証明資料」、工程管理には契約工期を満たす「工程計画」、原価管理には「予算書」を作り結果の報告をした。これらから生れるものは精神的な面が強く、技術(=売物=差別化の道具)にはならない。本来の管理データは使うために自社内に蓄えて共有するのである。

2.本来的な管理は「目標を安く達成できるように誘導する技術」である。だから真の管理を行うと原価削減という管理効果が生まれる。これが報告書類ならば提出すると終わり、次回は新たに作る。効果創出やPDCAの管理サイクルを回すことを考えていない。
 先日、こう話したら施工計画をワープロで作り、次の計画作に役立てていると言われ汗が出た(^_^;)。‥‥それは、発注者が要求する書類でしょ‥‥。
 施工管理の管理効果は工事の原価削減だから事務の合理化とは桁が違う。例えば1億円工事で10%削減すると1千万円になるが、事務の合理化で1千万円になることはまずない。むしろ、(報告書類の殆どは実態を報告するものだから)四大管理が軌道に載ると殆どの報告書は自動的に作成できるように思う。

3.工程計画で気になることがある。プロジェクトの工程計画を作る時にWBS(Work Breakdown Structure)という手法が良く使われる。WBSの思想では、工事全体が幾つかの一連作業に分れ、それらを要素作業に分解することにより工事全体が把握できるとしている。
 全く初めての企画であれば、(実績データがないので)WBSに頼らざるを得ないであろう。しかし、建設工事の場合は相当部分が経験済である。それは見積書無しでも予算書の大部分が作れることでも分る。それなのに建設工事の工程計画を立てる時にWBSに頼っている。
 WBSに頼っているうちは真の工程管理にならないと思う四つの問題点がある。次回以降、これについて述べたい。批判・意見・質問などをお待ちしている。

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