新規投稿者 三木 伸哉
投稿日 04/8/20(金) 10:22:11
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同行者のなかに、蘇州の博物館で素晴らしい買い物をした女性がいた。
22名の同行者は博物館に案内された。まず目を引いたのは、紫檀に金張りの豪華絢爛たるケース、高さおよそ2メートル、幅1,5メートルほど。
その中に玉の彫り物、赤い翡翠の花瓶、中国で3つしかないといわれ、かつて毛沢東が所持していたという逸品など、まさにお宝というべき9点の品がこの豪華なケースに収められていた。
この博物の学芸員は、それぞれの品物の値打ちについて、詳しく説明をしていた。
「実はこのケースごとお売りしたい。少数民族の校舎を建てる資金にしたいのです。どのくらいの価値があると思いますか。皆さんそれぞれ値段を言ってください」という。
一千万はくだらないだろうと思う。皆さんそれぞれ「1千万」「2千万」などと言っていたが、最後に学芸員が言った言葉は、「8万元(今の邦貨で120万円)」であった。120万なら買いたいと思ったが、ぼろ屋の明け暮れでは、このケースに合わせて、家を造り直さなければならないので諦めた。
そのうち同行者のある女性が購入することになった。「トーサンに叱られるかもしれない」と言っていたが、友人から「あなたのお金だから、いいしょや」とかなんとか激励していた。
購入後は3年間、転売を禁じるという但し書きの書いてある契約書に署名していた。
3年後、テレビ番組の「我が家のお宝」に紹介されるかもしれない。そして目をむくような絢爛豪華なこのお宝に、日本の中には好事家が多いから、2千万という値がつくかもしれない。
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