新規投稿者 三木 伸哉
投稿日 04/12/19(日) 06:05:49
返信も含め全削除
瀋陽市長の腐敗の構造
瀋陽の市長が贈収賄事件で死刑を宣せられたということは、以前この拙文に載せたことがあったけれども、中国在住の友人からの便りや中国関係の資料を読んでみて、もうすこし調べてみた。
暴力団が結びつくのは権力である。権力を借りて市場の利権を求めて群がる人間、そして権力にある立場を売りさばき、巨万の富を入れようとする権力者、この腐敗の構造が次々と事件を引き起こす。
瀋陽市長は辣腕として知られていた。2001年、中国共産党中央規律検査委員会は、瀋陽市長の汚職事件について、調査結果を発表した。瀋陽市長は道路,公園、広場、緑化事業など次々に開発し「やりての市長」の名前をあげきわめて評判もよかった。
しかし華々しい業績の裏におぞましい腐敗の構造があった。多額の賄賂と引き換えに、開発業者に次々とプロジェクトを提供したり、土地の提供を優先的にまわしたりした。
中国社会はなによりも血縁関係を大事にするので、日本のように「秘書がやったこと」と嘯くのではなく、親戚縁者,一族郎党がグルになることが多い。
この瀋陽市の場合も、娘が経営する服装グループの企業が、アジア体育祭を主催したとき3000万元でイベントを請けおったり、市街地のライトアップの工事も娘の経営する企業が行っていた。また市長の前妻に株の操作をやらせていたという。
日本ではこのようなことがあれば、マスコミが黙っていない。つい先日も埼玉県知事がマスコミで叩かれ辞任したばかりである。
ところが瀋陽市では、マスコミ機能も発揮しなかった。この事件に局長以上の幹部が取調べを受けたが、そのことも記事には出来なかった。批判記事を書けば首が飛ぶという。
このような事態がますます腐敗の構造が、ドロドロとしたものになったのであろう。
|