回想中国16(大連動物園1の1)
新規投稿者 三木 伸哉  投稿日 05/8/30(火) 09:30:21  返信も含め全削除
回想中国16 大連動物園1
虎を育てた犬
家内と娘とは1年ぶりの再会であった。私が大連に赴任して10ヶ月、夏休みに入る前に、二人はやってきた。
 中国人教師の温 震さん(彼の生誕の時、大地震がおきたので震と命名したという)4人で大連の動物園を訪問した。円山動物園を見慣れている札幌人にとって、この大連動物園のスケールの大きさに度肝を抜かれた。
貧しい生活の明け暮れの私は出来るだけ徒歩で園内を歩くのだが、日本の生活、年金生活ではあるが、亭主の不在で、潤沢な生活をしている家内と娘は、「オトーサン、もう疲れた、もう歩けない。あの車に乗ろう、乗ろう」とせき立てる。
園内を周遊する4人乗りの無天蓋の車が120元で回っている。日本人の身には120元(1800円程度)は安い物なのであろう。中国の金銭感覚に馴れて月給1500元の私には高いナーと思いながらも、その車を利用した。
「ここには虎を育てた犬がいるのですよ」と温さんが言う。
「犬が虎を育てた、、?」とはどういう事であろう。やがてその大きな虎と犬が同居している広い檻にやってきた。虎はもうすっかり成獣となり、小山のように、ノッシノッシと歩いている。その傍らに老犬が一匹ついて回っている。
「あの犬が自分のお乳で幼い虎を育てたのです。」と温さん。
あの虎が幼かった時、母虎は亡くなったのでしょう、それから飼育係は犬に虎にあてがったと聞いています」
幼い虎は犬のお乳を吸って幼少時代を過ごし、やがて犬の体型をはるかにしのぐ大きさになっても、オッパイをいただいた恩義は忘れなかったのであろう。
時折犬がお小水をすると、小山のような虎がそこを嘗めている。そして虎が同じ行為をすると、犬が後始末をしてやっている。なんと麗しい光景であろう。

返信する

パスワード

一覧へ戻る】 ※最新の画面を表示するには再読み込みしてください.