新規投稿者 三木 伸哉
投稿日 05/11/12(土) 09:50:21
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瀋陽の空港で
千歳から瀋陽まで滞空時間は約3時間、瀋陽空港に降り、税関を通った。パスポートを何度も調べる係官、怪訝そうな顔でやがて上司に連絡しているらしい。ポツンとただひとり20分ほど税関に残された。
やがて日本語の出来る上司らしい人がやってきた。
「ビザがないのですが、中国に何をしに来られたのですか。観光ですか」
「大連で日本語の教師をしています。ビザはお世話になる学校の理事長の中国人がダイジョウブ、と言われたので、その言葉を信じていました。」と正直に話したが、まだビザの必要な時代、ビザなしで税関を通過できるわけがないのだ。
「それではあなたが、日本語の教師であることを証明できるモノがありますか」
と上司が聞く。
「これですが」と出したのは、北京の中央政府が発行した「日本語教師専家証」
という証明書であった。ニンマリと笑みを浮かべたように感じられたその上司が、「3000円お払いなさい。そうすれば通過してよろしいです。」
助かった、ビザなしで入国できるわけはないのに、まさに「先の副将軍水戸黄門の「この印籠が目に見えないか」のような働きをもった専家証の威光であった。
後日調べたら3000円はビザを自分で取得するのに必要とする金額であった。そして親切なことに、その上司の係官は、自分の車に私を乗せて、瀋陽市にある大連市行きのバス停まで送り届けてくれたのであった。行程1時間くらいの距離であった、その中国人の温情に感謝、感謝の気持ちで、大連行きのバスに乗った。
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