回想中国22「マンションを追われて」2
新規投稿者 三木 伸哉  投稿日 05/11/29(火) 10:14:13  返信も含め全削除

「口をきくな」と言われて
高級マンションから次の引っ越し先は、どうやら理事長の恋人の住まいであった。また今度も女性と一緒かと一瞬脳裏を過ぎったが、彼女はどこかに滞在して貰い、そこで次の仕事が見つかるまでのしばらくの間、ここに滞在して欲しい、、、と言うことであった。
 「ここは中国人の住むスラム街のようなところ、あなたが日本人だと分かると何をされるか分かりません。ニイハオ、シエシエなどと口走ってはいけません。この扉の小さな窓から眺めて、人がいないのを確かめて出入りしてください」という。

ああなんという不遇な境遇に転落したのであろう。あの豪華マンションの生活とは月とスッポン、奈落の底に突き落とされたようであった。
7月の大連の酷暑は、北海道人にとって、ことさら堪える。今度のスラム街の部屋はクーラーなどという洒落たモノはない。町中なのに夜ともなればどこからともなく蚊がガンガン押し寄せてくる。蚊取り線香も用意はしたが、日本人の血は美味しいとみえて、遠慮会釈なく襲ってくる。
そして窓越しに聞こえるのは、徹マン(徹夜麻雀)のパイをかき回す喧噪、またダンスに興じているのであろうか、遠くから楽の音がきこえる。
真夏の熱波を避けて夜8時頃、近くのダンスしている会場にも出かけた。中国人はじつに開放的であり、真夏の夜は涼を求めて、100人以上の人たちが近くの公園に集まってくる。なんという踊りなのか、しばらく見てその要領を覚えて、踊りの輪の中に入った。

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