回想中国 23の2 (大連監獄の2)
新規投稿者 三木 伸哉  投稿日 05/12/24(土) 11:59:00  返信も含め全削除
大連監獄の付近を散歩
着任してから数日後、お隣の大連監獄(懐かしい響き)の外壁の回りを一人で散策した。3メートルもの高さの煉瓦作りの外壁の上には、電線が5本ほど張り巡らされており、高圧の電流も流れているのであろう。
ほぼ500メートル位の間隔に望楼が建てられており、監視人が銃を構えて見張っている。監獄の周囲を一回りしようと思ったが、用もないのに怪しげな男が、望楼を見上げながら散歩しているのを、「怪しい奴だ」ズドンと背後から撃たれるかもしれず、いい年をしてそんな冒険も、いい加減にしてとりやめた。

中国は世界中で死刑の執行が一番多い国と言われているが、世界中での死刑執行の数の60%を中国であるという。なにしろ瀋陽の市長が大規模な収賄の罪で死刑を宣告された国であるから、日本人には想像もつかないことが行われる。
私の同期派遣の日本人教師の教え子が、同室の友達の携帯電話を盗んだ罪だけで1年間拘留されたし、見せしめのため監獄に入れられることも多いという。
この管理幹部学院の学校の周辺は、道路拡張、排水溝の設備の工事で、数多くの囚人が作業を行っていた。日本では人目に付かない農園の作業、刑務所内での作業が一般的であるが、この中国は違う。
衆人環視のもと囚人が穴を掘り、スコップを撥ねながら作業をしている。
「隣のオジサンが、あそこで穴を掘っている。みんなと同じ服を着て、背中に番号をつけて」という場面がどこにでも見られる。
しかしムショ暮らしを終えて、娑婆に出てきた人は、それでおつとめは終わり。また元の暮らしに戻る。前科者は後ろ指をさされることは無いという国である。

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