新規投稿者 三木 伸哉
投稿日 06/6/30(金) 05:16:35
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冒頭から最後の場面を描写するのはおかしいのですが、この映画のエンディングに太平洋の海原、大きなうねりの波のなかに、キャスト、スタッフの名前がせり上げって描かれる。私は上映開始の中程から、もう滂沱と流れる涙を止めることはできなかった。終わっても観客の誰一人として席を立とうという人はいなかった。ようやく「終」の文字が出て席を立った人がほとんどであった。
今年も最低月に1、2本の映画を見ているが、最近これほどの感動、衝撃を受けた映画は無かった。
映画の冒頭は、まず鹿児島の枕崎で、80年以上も生きてきた仲代達也演じる年老いた漁師の神尾を、一人の女性が訪れるところから始まる。
この女性は、神尾が大和に乗船していた時の戦友、中村獅童演じる内田二兵曹の娘であった。その娘を演じるのが、目元の涼しげな鈴木京香。
彼女は若い漁師たちに懇願する。
「お願いですから、戦艦大和の沈没した所まで連れて行ってください」
「こんな時間に、あんな遠いところに誰が行く」漁師たちは取り合わない。
ようやく重い腰を上げたのは、仲代達也演じる八〇歳を過ぎたひげの爺さん、神尾であった。彼は少年一人を伴って小さな漁船を操縦し始めた。
彼女はその沈没地点に花を捧げ、亡き父の散骨をするのであった。
神尾の胸に鮮やかに蘇ってくる情景、切々と胸を打つ戦友たちとの交流、、、
神尾は少年兵として大和に乗船し、大和と運命を共にするはずであったが、それ以来60年もの長い間、生きてきた。トラウマを抱えて。
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