新規投稿者 三木 伸哉
投稿日 06/7/21(金) 11:26:04
返信も含め全削除
甲板磨きのしごき
この映画でも甲板磨きの映像があったけれど、実際は凄まじいものであったらしい。新兵は裸足、裸足の足裏は寒中なら、すぐ赤くなり感覚が無くなる。
体は熱くなっても、足裏は凍りつくような冷たさ、霜焼けができみみず腫れ。
「まわれぇ右ーー」ふたたび体の向きを変えて、一列になって甲板をこする。道具はデッキブラシ。まだ一度も敵といものに出会ってはいないのが新兵たち、それも15歳くらいのあどけなさの残る少年たち、この世の地獄であろう。
「俺たちは、あの古参兵のようになったら、やっぱり同じように新兵をしごくんだろうか」
「兵長とか二曹などになったら、やっぱり殴るんだろうな、軍隊というのは、もともとそんなとこなんだろうなー」と宿舎のベットの傍らで語り合う新兵。
時には六時の「総員起こし」の起床ラッパが鳴り、全員甲板に集合したあと、朝礼があり、「甲板洗え」と号令がかかり、後ろで古参兵や、兵長の監視の元に甲板洗いが行われる。
「おそい」「尻が高い」」と怒鳴られる。 遙か長い甲板の端にたどり着くと、「回れ右ィ」と声がかかる。
顔を洗うのは一週間に一回がいいところ、新兵のたちの給料は、夜、部屋の片隅で上官たちの靴磨きのちり紙代と、歯磨き粉の代金に使われたという。
★一口メモ 志願兵は15歳から
陸軍に比べて、海軍は高度な技量を必要とする部署が多かった。昭和12年(1937年)海軍少年水兵制度を発足させた。業種は水兵、整備兵、機関兵、工作兵、看護兵、主計兵の六兵種。一五歳からであったが、これはジュネーブ条約で決められた年齢制限であったが、実際は一四歳の志願兵もいたという。
|