「男たちの大和とその時代」8の1
新規投稿者 三木 伸哉  投稿日 06/10/11(水) 06:31:05  返信も含め全削除

この映画の主人公は誰なのか
森脇(反町隆史)内田(中村獅童)神尾(後の仲代達也)の3人に絞られるが、
やはり中村獅童演ずる内田二曹が主人公であろう。
文芸春秋の1月号に、制作者の角川春樹も、主人公は内田貢という戦後一匹狼のヤクザとなった下士官の男であると、書いていたが、この内田に絞ることが必要であろう。内田と神尾に絞って彼らの辿ってきた人生を描いてみたい。
 
内田二曹の苦悩
映画の冒頭から、中村獅童の不敵な風貌が現れる。柔道の猛者、反町の好敵手であり、戦艦大和では彼の親友、刎頚の友のように描かれている。
 山本五十六元帥が存命中に、元帥から贈られた短刀を時折磨いている。
元帥からこのような短刀を贈られた事実があるのだから、元帥の琴線にふれるような行いがあったのであろう。
 内田二曹は映画の冒頭の戦い(事実はレイテ戦)で、彼は体内を貫通する射撃をうけ、また左目が潰された。上陸して海軍の病院に収容される。

ようやく病院から脱出できる程度に傷も癒えた内田(中村 獅童)は、恋人の芸妓の文子(寺島しのぶ)と久しぶりの逢瀬を愉しむ。銃弾が身体を貫通している内田には、もう男性的な機能が失われている。
「これをお前にやるから、なんかの足しにしてくれ」有り金全部文子に。
「どうしてまた会えるのに、こんな金、あんた沖縄にいくんかい」つめよる恋人文子には、内田が沖縄戦で最期になることを、うすうす感じている。
「何もせんでいい、一晩中あんたをこの私が抱いてやる、暖めてやる」
何という哀しいことであろう。20代から男の機能を失っていた。

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