新規投稿者 三木 伸哉
投稿日 07/2/6(火) 11:31:16
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アユタヤの夜は更けて 2
ともかく対戦中の少年たちに金を賭けているのに違いない。少年たちは自らの戦いが大人の賭け事の対象なっていることは、もちろん知っているのであろう。どれほどのフアイティングマネーが懐に入ってくるのであろうか。少年たちの中には仏教徒の国であるから、病に苦しむ母親の薬代を得ようと、叩き合い、蹴り合い、時には逃げ回っているのかもわからない。少年たちの背景に何があるか不明だが、真剣に戦い始めた。
顔面を強打されれば血が上ってくるのであろう。格闘技は冷静にやっておられない。プロ野球でもデッドボールを受けた外人が、まっしぐらにデッドボールの発信地のピッチャーに突進していく。オリックスに移籍した清原は、我が愛する日ハムのダルビッシュのデッドボールに。今度ぶつけたらただではおかない、今度ぶっつけたら「やったる」と豪語している。
まさに生きるか死ぬかの壮絶な展開である。体に塗りたくったグリスのような黒光りする光沢が、ネオンの光をうけて、いっそう怪しい雰囲気を醸している。
レフリーがいるから、死に至るような競技にはならないであろうが、日本でこの大人の賭け事の対象の少年キックボクシングを実施したら、日本PTAはなんと反論するであろう。「児童福祉法」に抵触するであろうか。「こどもの権利条約」との関わりはどうなるであろう。そんなことが一瞬頭をよぎったが、五ラウンドの「いたいけ少年組」の試合は終了、次のワンランク増量の少年組に変わった。
体重は見るからに増量している、骨格も大きい、眼もランラン闘志ももむき出しである。もう少し眺めていたかったが、運転手との約束を果たさなければならなかった。時間がきたので、残念であるがホテルに戻ることにした
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