日本の旅とその歴史の背景 15(小樽文学散歩1)
新規投稿者 三木  投稿日 08/7/7(月) 11:12:39  返信も含め全削除
日本の旅とその歴史の背景 15(小樽文学散歩1)
オタモイの龍宮閣
数年前友人二人と、札幌のとなり、歴史の影を色濃く残している街、小樽を探訪した。晩秋11月の初旬である。
垂れ込めた雲から微かに日が差してくるような天候、忍路の海岸線に降りていった。カモメが飛んでは消えていく。終日糸を垂れているのであろうか、釣り人が数人、岩礁の上に何本かの釣り棹をたてていた。
明治の30年代、この切り立つような崖に、浦島太郎が訪れた竜宮城?と競うような建物があったという。
 その名も「龍宮閣」、しかしいまは微かにその残滓を留めるような、錆び付いた鉄の杭がコンクリートに残っているだけである。
鰊の最盛期、この積丹の海岸は、浜一帯に押し寄せた鰊の群来に湧いた。網元の親方衆は、どれほどの巨万の富を築いたのか、この龍宮閣に小樽花街から花魁が尋ねてきたのであろう。この切り立つ崖から身を投げた遊女もいたとか。

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