新規投稿者 三木 伸哉
投稿日 09/2/4(水) 10:48:24
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桜島の大根
そのような就職生徒の職場訪問をしながら、生徒の就職していない鹿児島まで足を伸ばした。最初に訪問したのは、桜島大根で有名な桜島であった。その頃はまだまだ桜島大根を栽培する農家が多く、噴煙のたなびくなか、収穫間近の桜島大根を眺めながらバスに揺られていた。
噴火の泥流のものすごさ、むき出しの巨岩がごろごろと路傍に積み重なった状態の道路を這うようにバスは進んでいった記憶がある。
もう遙かな昔になったが、その時ガイドさんは、西郷隆盛の生涯についてかなりの時間を割いて話してくれた。西南の役の奮戦の様子、月照僧との入水、そして城山での西郷隆盛の最期の様子を、まさに涙を流しながら語っていた。鹿児島県人の西郷への思慕の深さが窺われて感動的であった。
「西郷さんはこの桜島のようなお人です。雄大でどっしりと高いところから鹿児島の人たちを眺めているのです」と語っていたように思う。
もうあれから43年は歳月が過ぎた。鹿児島の街の様子はほとんど記憶にない。
ただあるのはガイドの西郷隆盛の城山での最期の描写である。
巨漢西郷は180p、116キロあったという。現在の世の中ではこのような巨漢は珍しくないかも知れないが、当時の一般的日本人の体型では波はずれていた。桜島に書かれている歌碑に次のような短歌がある。
「わが胸の燃ゆる思いにくらぶれば 煙はうすし桜島山」
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