新規投稿者 三木 伸哉
投稿日 10/9/13(月) 06:13:21
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「まずはひっくりかえって、落馬しても砂深い丘陵地帯だから、それほど怪我はないであろう」と思いながらも、内心びくびく丘陵地帯を登っていった。
途中女性軍の何人かに会った。その内の1人が、ズボンの膝のところに、ちぎられたような穴が一個所、「どうしたの、そのズボンの穴」と聞いてみると、「乱暴な、きかない馬で、何が気にくわないか、私の膝に噛みついたの」と言うではないか。ああやっぱり噛みつくのだ、しかし今更引き返すわけにも行かない。噛みつかれた20代ヤマトナデシコも乗り続けている。
そのうちに、馬は鞭を当てようが、声かけようが、鐙(アブミ)を揺らせようが、びくともしない。ストライキに突入したようである。「このオヤジ、ヘタクソ、重たくても、それなりに乗馬の基本というものがあるだろう」という顔で草を食いだした。それを遠くで見ていたこの乗馬の世話人頭の人がやってきた。
なにやら早口で聞いているが、よく分からない。「馬、不好」とだけは伝えた。
そうすると自分の馬と取り替えてくれた。
いかにも国際感覚に富んだ馬面、品の良い面相、少々のぎこちない手綱捌きでも、堪えるということを教えられているのか、それからは颯爽とモンゴル平原をかけ始めた。
かつてこの平原にジンギス・ハンも駆けたであろう砂丘と草原をおよそ1時間、爽快な気分で、全方位の平原を乗り回し、疲れ切って馬の厩舎に戻ってきた
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