中国のいま、最新事情 3n01
新規投稿者 三木伸哉  投稿日 12/4/10(火) 06:02:12  返信も含め全削除
中国のいま、最新事情 3
冷漠社会の実態か、轢き殺された幼児の横を素通りする人が18人

冷漠社会という言葉は、はじめてである。かなり大きな日本語の辞書を調べても載っていない。おそらく中国語で多用されているのであろうか、中国語であろう。
中国在住当時、交通事故死の現場を2回見る機会があった。いちど目は遼寧省の省都の瀋陽から大連に向かうバスの中からであった。
バスは急停車したので、事故があったことが分かった。しかしほとんどの人は衝突した小型車の近辺に群がり、死者のところには誰も近寄ってもいかなかった。
もう一度は家内と西安の路上で交通事故を見た。青い服を着ていた作業員らしい人が、路上に放置されたまま、ほとんどの人は衝突現場の車のところに群がっていた。

 最近のニュースでは、中国で車にはねられ、道端に倒れていた女の子の横を、通行人18人が素通りしていたという話。日本では信じがたいことであるが、現実にこのようなことがしばしば起こっている。山東省の仏山市の2歳の女の子がひき逃げされた事件であった。そして次に来たのは車であった。幼い子供は轢き殺されて命が絶えた。
著しい経済発展の裏通りに、このような事例が多発している。


返信 1 三木伸哉  投稿日 12/4/10(火) 06:03:34  削除
経済発展にひそむ冷たくなった人間関係
18人は見ても知らぬふりして通り過ぎたのである。日本をはじめ、この交通事故死は世界中から批判の矢面にたたされた。中国社会は、かつてこのような国ではなかったはずである。日本の26倍もの面積、56の民族、宗教の違い、14の国境と接するお国柄、日本の国民性とは異なることは当然だとしても、なぜこのように冷淡になってしまったのか。

 まず考えられることは、都市の流動化、貧富の差が大きくなっていくにつれて、農村部の人口が、大都市の周辺に流動した。農民工(農民ではあるが農村では食べていけないので、大都市の周辺に蟻族のような暮らしで日銭を稼ぐ人たち)が激増して、地域のコミュニティーなどは消滅した。

二つ目は人助けをしたのに冤罪の濡れ衣を着せられた事例が報道されたこと。せっかく人助けをしても、加害者として告発されて賠償金を支払わされた、という判決がある。
三つ目は生活に追われて、人のことなどかまっていられない、路上に幼児が死んでいても、自分の生活にはかかわりない、という中国人が圧倒的に増えてきたということである。

私が中国事情を詳しく調べていた毛沢東時代の現代史のなかでも、このような寒々とした光景はなかった。世界一の格差社会のもたらす一国の国民性の極端な変わり方ではあるまいか。中国共産党大会でも、道徳性の欠如が大きく取り上げられるようになってきた。
中国のいま、最新事情 4

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