<21>下取りも注文生産の部分で不具合が発生する
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/10/26(日) 17:10:53  返信も含め全削除

1.パソコンハードの取替え時の光景
 パソコンハードの寿命や機能の陳腐化によってハードの取替えが行われる。企業や公共団体,各種団体において使用済みのパソコンハードを取替えする時点がくれば、下取りや売却,廃棄が行われるが,この時点で各種の不具合が発生する。使用済みのパソコンは,通常下取りという形態で売却されることが一般的であるが,これを一般競争入札により売却する場合に,一番高額な下取り価格を付けた業者が落札する。売却側は高額で購入してくれることを望むが,買取業者にとっては高額で買わされ場合は不利益を被ることになる。このような取引は,新規のパソコン購入と下取り売却との組み合わせで行われる場合が多く,販売業者にしてみれば,新規納入のパソコンを売りたいために,使用済みのパソコンを高額評価で買い取る結果になるのである。つまり新規パソコンを低価格販売する結果となるのであるが,これらの取引形態はよくある光景である。

2.パソコン取替え時の不具合
 このようなパソコン取替え時に何故不具合が発生するのであろうか。それは使用済みのパソコンに記憶済みのデーダが残っている点である。現在のパソコンの記憶システムは,素人が簡単に消すことができないように設定されている。それはパソコン使用上の有益性の問題で,簡単にデータが消える危険性を回避するために,データを保全するシステム方を重要視する結果,安易にデータが消えないシステムを重視したものである。そのため重要な情報がパソコンに記録されたまま下取りとして外部に流出することが起きてしまうのである。この不具合を解消するため,パソコン取替え時に下取り業者には,データの完全消去を条件としているのであるが,パソコンの販売競争が激しいため,使用済みパソコンの下取り売却の段階で,データ消去の人件費も出ない熾烈な競争になる場合があり,使用済みのパソコン提出側に大きな不安感が付きまとうのである。このような不具合はなかなか解消できないのである。

3.注文生産の不具合
 使用済みパソコンに記憶されたデータを消去することを条件として,売却する契約になっているが,データ消去という作業が未来に行われる作業であるため,この消去作業が注文生産の形態となるのである。建設業における注文生産である請負契約と何ら変わらない。つまり,注文生産の仕組みは,生産する前に無限大の熾烈な争いが起きる仕組みになっており,通常の既製品市場における売買とは違うのである。このようにすべての業界における注文生産の形態は、例外なく不具合を誘発する仕組みが存在している。つまり市場経済として既製品市場の土俵を借りて,注文生産市場の取引を無理に運用することによって起こる不具合であるから,これらの現象は不具合というより,無謀というべきではなかろうか。時代は過去の既製品市場全盛時代から,注文生産市場のウエイトが高まっている時代であり,従来型の市場論から注文生産市場を分離して特化すべき時代であろう。それによって注文生産市場は論理的に整理され,高度な市場論として進化するものと思われるのである。

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